J−POP REVIEW

<CRAFTOWNERより>
 今月はブレイク前アーチスト、映画主題歌、CMソング・・・とテーマを絞りながら最新曲を紹介してきました。その中で一番の驚きは日本映画主題歌の多さ。「ブレイブ・ストーリー」vs「ゲド戦記」のアニメ対決に隠れて「日本沈没」のような大作が影に隠れてしまった感があるけど、この他にも海外でブレイクの兆しがある「デスノート」のスガシカオや、このあと発売になった(なる)大塚愛、スキマスイッチなど、まだまだ売れっ子のタイアップ曲が控えています。

 ただ、ドラマ主題歌と同じでこれだけ乱立すると、タイアップ=即ヒットという状況にならないのも事実。嵐は映画のファン層以外への広がりが見られなかったし、映画を見る世代とアーチストのファン層が重ならず不発だった昨年のD-51の例もありますから・・・(苦笑)。あと洋画の日本語版主題歌ってタイアップ的にはどうなんでしょう?

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2006年8月分

● 箒星/Mr.Children <今月のおすすめ> 
 TOYOTAタイアップ曲。トビラをあけよう→夜の星空という連想から、曲に対する縛りが相当あったのでは?と推測。フルに音域を生かしつつ(最近このへんに進歩を感じる)難解なメロディーにポップさを併せ持たせるシングル向きの曲を作ってくるところはさすが。GAKU-MCとのコラボで心配したけど杞憂。

● ハネウマライダー/ポルノグラフィティ <今月の次点>
 ポカリスエットCM曲。ポルノとしては「ミュージックアワー」以来2度めのタイアップです。これまでフォーキーか四つ打ちかヘビーかに分類されることが多かったサウンド面、久々にちょうどいい混ざり具合です。詞も相変わらず彼ららしい独特の言葉回し。作編曲の本間氏とのタッグが合ってるようです。

● Magic Music/木村カエラ
 本人出演のマクセルタイアップ曲。彼女、たぶん「女版奥田民生」的なポジションを狙ってるのかな〜って戦略が見えてくるんですが、彼にユニコーン時代があったように、今はもう少し幅を広げてもいいんじゃないかなあ。今作はポップな原色が合うイメージ。これはこれで彼女のひとつの武器だと思う。

● 夏が来れば/Sunset Swish
 前作「マイペース」がスマッシュヒットの3人組。認知度も上がって次の手は、と思っていたが、別人のようなメロウなサウンドにラップ調のメロディーが乗った不思議な仕上がり。急に大人びてしまったようで、彼らに限って言えばベタな同路線継続の方が良かったのでは?(オリコン初登場50位外...^^;)

● A Perfect Sky/BONNIE PINK
 資生堂アネッサCM曲。デビュー10年めにして「エビちゃん効果」でいきなり彼女最大のヒットに(しかし今年の資生堂は大当たりだ^^)。アーチストとしての実績は十分だから、「嫌われ松子の一生」から始まってビッグチャンスの年だったんでしょうね。CM曲らしいサビ1点主義がいい方に出た曲。

● Real Voice/絢香
 デビュー曲「I beleve」が新人としては大健闘のヒットとなった彼女。限定盤の2ndはアップテンポでチャート的には沈んでしまったが、あえて月9主題歌にまた同じ路線をぶつけてきました。結果は...初登場11位。微妙。まだバラードのイメージが強いうちに展開を急ぎすぎた感がするんだか。曲も難しい。

● 合言葉はア・ブラ・カダ・ブラ/HOME MADE家族vs米米CLUB
 9年ぶりに再結成した米米CLUBのヒット曲をベースにしたコラボ。HOME MADE家族は槇原敬之とも相互コラボしたりと、若手ヒップホップ界ではなかなか面白い異業種格闘をやってるな、って思います。原曲を崩してなくてうまく今年色に塗り替えている感じなんだけどな。オリコン初登場15位と意外に振るわず。

● ツヨクツヨク/mihimaru GT
 前作「気分上々↑↑」でブレイクしたVo&MCユニット。発売日を遅らせてまでジャストタイミングで出された新曲は同じアッパー路線。サウンドのちょいレトロなディスコ調といい、ふたりのスピーディーなかけあいといい、いい線突いてると思ったんだけど、前作の完成度が高すぎたか。オリコン初登場19位。

● Keep Holding U/SunMin thanX Kubota
 韓国の歌姫と和製R&Bの先駆者・久保田利伸のデュエット曲。クレジットからわかるとおり、今回作詞作曲はしているもののボーカルはサブに徹する久保田。洋楽によくある掛け合い型デュエットがハマるのも海外生活が板についた彼ならではなのかも。SunMinの声もまだ10代とは思えない大人っぽさ。「日本沈没」主題歌。

● テルーの唄/手嶌葵
 ジブリ関係の主題歌は、過去にも木村弓、米良美一など「飛び道具」が出てきたのでそう驚かなかったけど...今回は全く無名といっていい新人の起用。ほぼBGMのようなアレンジ。そして空気のようなボーカル。取り上げては見たものの、映画(「ゲド戦記」)とあわせて評価しないと本当の評価にならないでしょうね。

● 魔法のコトバ/スピッツ
 もうデビュー15周年ですか...ベスト盤後初のシングルは映画(「ハチミツとクローバー」)用書き下ろし。メロディーはスピッツ王道なんだけど、ストリングスのアレンジが入ってたりしばらくざらっとした感触の曲が多かったところからポップに戻ってきました。
個人的にはこういう初期っぽい曲がきて嬉しい。映画との相性も楽しみ。

● 決意の朝に/Aqua Timez
 「等身大のラブソング」で話題となった4人組バンドのシングルメジャーデビュー曲。他のインディーズバンドよりポップ色が強い一方、今作はサビの詞などあまりに飾りなく正直なんでどうかな?と思ったけど、映画(「ブレイブ・ストーリー」)との相乗効果、メジャー移行の効果はあったか。「声と音で彼らとわかるバンド」が次課題?

● ALWAYS/FUNKY MONKEY BABYS
 ジャケ写に吉本のお笑いタレントを起用してきたことで話題のバンドの3rd。今回もペナルティを起用してます。で、曲自体は唖然とするくらいすんごい普通にポップなんだよね。話題づくりには有効だったけど、そろそろバンドの音楽性を伝えるのに逆効果になってきやしないかと心配。どこまでやるんだろ。

● 想い出のすぐそばに/中孝介
 苗字は「あたり」と読みます。聴いてすぐわかるとおり、奄美出身・島唄の流れを汲んだボーカル(女性では元ちとせとかいたけどね)。映画「着信アリFinal」タイアップもあって火がつくかな、と思ったがそうでもなかった。この手の唱法ブームは過ぎたのか、男だからウケなかったのか。難しい...

● ホントは幸せ/河口恭吾
 レコード会社移籍第1弾。「桜」のブレイク後からずっと推し続けてるけど、いかんせん地味なせいかその後が続かないね(苦笑)。今回は弾き語りではなくバンドスタイルに近いミディアムで、彼の新たなポップセンスが見られるんだけど、たぶん今一番ウケない路線。レコード会社のプッシュ足りないよ(^^)。

● 風待ちジェット/坂本真綾
 昨年「ループ」で一躍注目を浴びた声優系アーチスト。でも今作は比較的ゆったりめのポップスで違和感なく聴けます。音の作りも電子楽器が効果的に配置されてるし、タイトルどおり爽やかな風を感じる印象。タイアップがNHK教育ってのも関係してるのかな。でも今はいかにも系の方がウケてるからな...


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