J−POP REVIEW

<CRAFTOWNERより>
 9月は何と言ってもmihimaru GT、SEAMO、コブクロのアルバム首位獲得が目立ちました。かたやヒップホップをうまくJ-POPと融合して独自のポジションを確立した新興勢力、かたや地道に佳作を発表し続け、業界内外をも巻き込んでブレイクポイントをつかんだ中堅どころ。リズム主体の音楽と詞曲&ハーモニー重視の曲が共存しているところが今のJ-POPシーンの面白いところでもあります。AIもコブクロの陰に隠れたけど初動10万枚ラインに乗せてきましたしね。

 ただ、シングルは沢尻、キグルミ、DJ OZMAにAcQuA-E.P.と企画モノやテレビ関連が多いのも事実。TOKIOも中島みゆきの楽曲評価とドラマヒットが要因としては半々でしょうね。絢香、YUI、伊藤由奈、このあたりもタイアップなしで上位に定着して来ないとまだ安泰とはいえないようですしね。さて、この秋大穴は現れるのか?

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2006年10月分

● Astaire/SUEMITSU & THE SUEMITH <今月のイチオシ> 
 アーチスト名が紛らわしけど男性ソロです。クラシック畑から参入、洋楽の洗礼、いわゆる弾き語りのイメージを覆す打楽器系ピアノ弾きという意味ではアンジェラ・アキに通ずる部分があるのかな。とにかくメロディーラインが予想もしないところにとぶのに衝撃。惜しむらくはややダミ声の声質が...

● ガラナ/スキマスイッチ <今月の次点その1> 
 タイトル(興奮剤の一種、曲のイメージからつけられたとか)どおり、ここ数作の中ではかなりハイテンポ。でも彼ら、テンポに関わらず「スキマ音階」と「スキマフレーズ」なるものを確立した感がありますね。男版aikoとでもいうべき他の人ではまねできない手癖(^^;)。シングルでは初のオリコン1位獲得。

● ユメクイ/大塚愛 <今月の次点その2> 
 こちらは本人主演映画「東京フレンズ The Movie」主題歌。彼女の過去の曲にはどこかあざとさを感じる部分があったんだけど、今回は直球勝負の8ビート。タイトルだけは「あれ」って思わせるけど、この曲で彼女の才能を再評価しました。今「ぼく」って1人称で歌える数少ない女性アーチストだと思う。

● SHAMROCK/UVERworld
 CX系ドラマ「ダンドリ。-Dance★Drill-」主題歌。女版ウォーターボーイズとでもいうべき青春群像ドラマとこの曲の相性が良かったのか、彼らのシングルとしてはロングヒットを記録。路線的にはデジタルっぽさが多少抜けてボーカルが前面に出てきた気はするが...ラップの多さは好みの分かれるところか。

● Progress/kokua
 スガシカオ(vo)を中心にNHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」テーマ曲用に結成された限定ユニット。スガ以外の楽器担当(武部聡志、根岸孝旨...)もそれぞれプロデューザーとして第一線で活躍してる人ばっかりで何とも豪華。で、誰の色も強く出ていないところが(NHKの要望だろうけど)まさにプロ的。

● 夏音/GLAY
 活動再開第3弾シングルは両A面、ハードテンポ&バラードの対照的な組合せ。こちらは「恋するハニカミ」主題歌。過去の曲で言えば「ホワイトロード」に近い壮大なスケールですね。意外性を期待する分、ファンじゃない人にはちょっと重くてストライクじゃないかもしれないけど、僕は王道でいいと思う(^^)。

● スイミー/Every Little Thing
 ドラマ主題歌になったのにアルバムと発売順が逆になってしまった最新作。おまけにラルクの旧譜と発売がぶつかり初登場ベスト20がやっと。人気凋落の気配を感じるな...楽曲は軽やかなアップテンポ。最近のバラードでもロック寄りでもないちょうどいい按配です。でも明らかに上の音域が下がってる...

● 宙船(そらふね)/TOKIO
 長瀬主演の日テレ系ドラマ「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」主題歌。中島みゆきが男性に詞曲提供、だけでも話題だったのに、ドラマもヒット、曲もヒット、彼らの代表曲として一人歩きを始めてます。2番あとの「何を〜」の連続なんてみゆき節そのものだもんね。長瀬Voとの激突がいい作用を生んだ好例。

● 返信/竹内まりや
 映画「出口のない海」主題歌にして5年ぶり(!)のシングル。これで食ってけるとはまさに理想的な音楽活動(^^)。で、生きることの意味を問う戦争ドラマということで、淡々と、でも印象的な映像に確実に色付けしてくれるであろう出来はさすが。安心して聴ける大人の曲です。ちょっと演歌入ってるけど。

● たらこ・たらこ・たらこ/キグルミ
 某パスタソースのCM曲がとうとうCD化。DLなどで噂になってからCD化に結構時間がかかったので「噂倒れ」を不安視したが、何気に売れてますね〜(苦笑)。他の食べ物ソングには悪いけど、やっぱり子供を使ったのがブレイクの境目か。あと、メロディーに何気に漂うマイナー感。いやでも耳に残る意味では◎。

● I Wanna Know/AI
 2作バラードが続き、アルバム前となるこの曲で、ひさびさにダンス全開&ヘッドマイクの曲調にシフト(もともとこっちが本流の人だもんね)。セールスはダウンしたものの、バラードの印象が固まるギリギリのところで回避、アルバムも結構な出足のようでまず合格では。もっと歌が評価されていい人。

● E−ヨ/米米CLUB
 期間限定活動の第2弾シングル。前作「WELL COME 2」がスタートダッシュだとしたら、こっちはスキップって感じかな。でも無意味なゴージャス感というか、身体で反応してしまうファンク感は全盛期の米米らしさを保ってると思います。石井さん、ソロより絶対こっちの方が生き生きして見えるけどなあ。

● UN ROCK STAR/ORANGE RANGE
 一時期ほどの勢いを感じなくなってきた彼ら。今回シングルではひさびさに売れ線に背を向けたハードチューンだけど、オリジナリティないなあ、ってのが印象。良くも悪くも過去の名曲のエッセンスを頂戴して(パクリと叩かれもしたが^^;)彼ら流に仕立て上げるのが良さでもあったのに。タイトルも皮肉?

● stuck on you/伊藤由奈
 バラードが3作続いた後の枚数限定4thシングル。ちょっとレトロでアメリカンな感じのポップス。英語がかえってハマりすぎ?なのか、バラードのイメージが強すぎたのか、セールスはいまいち不発。もう1曲限定新曲を挟んでアルバム発売までを視野に入れてのプロモーションだろうから、もう少し様子見か。

● Brand New Map/K
 こちらも5thにして最速(といってもミドルテンポなんだけど)。こちらは逆に、1stアルバムが出るまでの間にアップテンポを見せといた方がアーチストとしての息が長くなったような気が。今作もボーカル薄めのCHEMISTRYとかネスミスあたりと印象が被りすぎ。アニメタイアップにも違和感ありあり。

● invitation/柴咲コウ
 彼女もバラードのイメージが強かったから、その後のアップテンポでは苦戦してますよね。加えて、自身は出ないのにドラマ主題歌(しかも大半がTBSで女優も事務所がらみ多し)という売り方までパターンが読まれてしまったから、虚像だけで売るには手詰まり感が。ドラマも沢尻エリカに話題持ってかれてるし。

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