J−POP REVIEW

<CRAFTOWNERより>
 2月から3月にかけてはアルバムリリースラッシュ。3月前半のチャートなどは、3週で上位10枚がすべて入れ替わるほどのめまぐるしさでした(昨年末も同じような現象があったばかりなのに)。アーチストが増えた成果、アルバムが短命になったせいか・・・今月取り上げたアーチストでも、スネオヘアーやHIGH and MIGHTY COLORなど、最近のシングルに力作が多いにもかかわらずアルバムが日の目を見ないまま消えていくのは少々残念な気も。

 反面、今月のイチ押しに置いた安室奈美恵や宇多田ヒカルの復活、伊藤由奈や木村カエラのアルバムヒットなど、女性ボーカルは相変わらず元気です。

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2007年2月分

● Baby, Don't Cry/安室奈美恵 <今月のイチオシ>
 フジ系「ヒミツの花園」主題歌。ドラマタイアップということでか、このところ突き詰めていたJ.ジャクソン路線はいったん封印し、メロディありポップスに戻ってきました。で、歌い始め→サビにかけてあげていく構成、サビの高音の伸びやかさがお見事。個人的には大拍手ですね。何より彼女が気持ちよく歌っているように見えるのがこの曲の収穫かな?

● きっと永遠に/Crystal Kay <今月の次点その1> 
 壮大なバラード。J-POPのど真ん中をいく意表を突かない展開は、本人の映像を思い浮かべずに聴いた方がよさそうです。この人って高音のファルセットっぽいところと地声の境目があまりないんだということに、今回改めて気づきました。シングルとしては弱い気もするけどオーソドックスで普通にいい曲です。

● 君と向日葵/175R  <今月の次点その2> 
 ほぼ同時にブレイクしたロードオブメジャーにも置いていかれ、昨年のシングル当たりからは最高位30位台あたりが定位置に。今回はミディアムで彼らにしては整理されたアレンジのポップロックだが、一時期の疾走感というか荒削りな部分がなくなってきたのがセールスにも影響してるのかなあ。ボーカルSHOGOの結婚がこんなにセールスに直結するとは思いたくないけど。歌ものとしては結構好きです。

● 辿り着く場所/HIGH and MIGHTY COLOR
 3rdアルバム先行にして、おそらくシングル史上最もスローテンポ。でも勢いだけじゃなくて太い音を聴かせるバンドになったことを改めて感じた曲。マーキーのボーカルって意外にキーが低くて、このポジションにいるアーチストが空席なんですよね。ガンダムタイアップが外れたあとセールス的には苦戦してるけど、幅も出てきたし何とか踏ん張ってほしいな。

● Snowdome/木村カエラ
 3rdアルバム先行シングルはBEAT CRUSADERSとタッグを組んでのミディアム。前作「TREE CLIMBERS」がインパクト大でブッ飛んでたのと対照的に、さらっと流れるようなガールズポップなのが意外でした。マニアックに寄ったり離れたり、このさじ加減がいつの間にかベスト10に定着し、今後も浮き沈みしなさそうな大きな要因なのかも。発声も普通にのびやか。

● 野に咲く花のように/Gackt
 約1年ぶりの新曲は、ラジオの高校生リスナーとの「約束」から生まれたというエピソード満載の卒業ソング。普段からそのミステリアスなキャラとは別人のような「易しい日本語」の詞を書く人ですが、今回はよりテーマが具体化され、アレンジも最小限になったことでさらにいい意味で普遍的な内容に。今後のアーチスト活動への影響が心配だけど(苦笑)、オリコンチャートも初登場3位と復調でまずは定位置確保か。

● やさしいうた/スネオヘアー
 これまでになくスローで地味だけど、聴くたびに味が出るするめのような曲。いい意味で音も言葉も懐古主義に徹しているから、古いアルバムを見ながら「あの頃はよかったね」って苦笑いするような感じかな? ここ数作力作が続いてるだけに、アーチスト名だけで聞くのを遠ざかっちゃってる人がいるとしたらもったいないなあ・・・

● HONEY BEAT/V6
 前作に続いてアップテンポ、これぞアイドルポップス路線が続きます。デビュー以来30作連続シングルTOP5と地味に浮き沈みなく売れ続けてます。今やジャニーズも普通にシンガーソングライターの曲を歌う時代、逆に誰も行ってないニッチな方向を選んでるようにすら感じます。本物の若手ジャニポップス・NEWSが復活する今年、路線がかぶらないようにどっちへ向いていくのか興味深いところ。

● Lovin’Life/FUNKY MONKEY BABYS
 2MC+ダンサー(DJ?)3人組の4th。デビュー曲が「そのまんま東へ」+PVには今や時の人・東国原知事が出演していたことで、思わぬところからも話題に。今年一番早い卒業ソングということで、歌詞にもある「サクラ咲く」と行くかどうか注目。過去の作品に比べヒップポップ色が強く、彼らの本領はこっちなのかな、ということが伺えます。いい意味での「青さ」も残ってるしね。

● 君がくれたもの/HOME MADE家族
 彼らにとってシングル初のラブソング&スローテンポ系。明らかにヒット狙ってきた感じですね(^^)。ケツメイシが新がごぶさたなんで若干そこにかぶせてきた印象も。今まで家族愛とか平和とか大きいテーマが多かったからね、これはこれで彼らの「私」の部分が見える開拓だと思う。早くも来月には次のシングルが登場。あとで振り返ったら印象は薄い曲になってしまう気も一方でするけど。

● Eyes on you/加藤ミリヤ
 映画「バブルへGO!!」主題歌。同性のローティーンあたりをターゲットに売り出してるのかな、とずっと思ってたので、いまいちタイアップ先が違うんじゃ・・・という違和感がどうも抜けなくて。曲はクラブフレーバーを乗っけた、さらっと聴ける感じのポップス。かなり歌もの寄りの作品になってるけど、それが逆に個性をなくしちゃってると思う。ちょっともったいないなあ。

● 雲に乗って/三枝夕夏In db
 音自身ははいつものGIZAサウンドなんですが、何せAメロが強烈なラップ(というかメロのない歌詞の棒読み?) ZARDの「君が痛いくらいあふれているよ」のラップ調楽曲にもあっけにとられたけど、こっちの方が早口な分だけ上回ってるかも。で、セールスは過去の作品より上がるでもなく下がるでもなく。曲を聴くまでもなく買ってる人の多い証拠か?(^^)

● Cherry Girl/倖田來未
 アルバム先行でドタバタのうちに発売された感のある、「運命」と両A面扱いシングル。昨年の他のシングル表題曲とは違うちょいヘビーでカッコイイ系の曲だが、個人的には彼女の曲と一聴してわからないような気も。まだロック調のアプローチには可能性開拓の余地があるような気がするなあ。

● Picture Perfect/MONKEY MAJIK+m-flo
 昨年「西遊記」主題歌で注目を浴びた国籍混合バンドとコラボの雄のタッグ(さすがに今回相手が男なもんで「loves」は使えなかったのね^^;) で、バックトラックは今回MONKEY MAJIK寄り。よく言えばキャッチー、悪く言えば当たり障りないメロディーとラップ部分が分離してるのが気になる。「Around the world」でブレイクしちゃったのがすべての不運の始まりなのかな、いまいちチャートの動きもよくなかったようで・・・

● 僕らがいるMY ASIA/モーニング娘。10周年記念隊
 イントロからしてちょい和風テイスト。モー娘。結成10周年記念ということで、初代メンバーの飯田&安倍から現メンバーまで精鋭?5人による期間限定ユニットのようだが、各メンバーの底上げのための選出の匂いがしてならないなあ。歌もアジアのどっかの国との友好●周年的キレイゴトソングになっちゃてるし。彼女らが歌う意義が不明・・・

● Here&There/CHAGE and ASKA
 この曲と「man and woman」を同時発売後アルバムリリース。ASKAのまったり&ふたりの掛け合いボーカルがフルに発揮されてます。一時期のロックテイストはすっかり影を潜め、ストリングスのアレンジなどとともにボーカルを立てる方向性が明確なのはさすが(受け入れられたかどうかは別として)。でも個人的には、ぼやっと残像が見えるだけで以前の曲のようには耳に残らないんだよね・・・
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