J−POP REVIEW

<CRAFTOWNERより>

 シングルには現れていませんが、この夏は「R35」に見られるJ-POPオムニバス旋風が吹き荒れました。フリーペーパーのタイトルから引用した「35歳前後の音楽から離れつつある元J-POPリスナー」を引き止めるのに成功しただけでなく、今のリスナーにとっても新鮮に響いたよう。ちょうど徳永英明が注目されたり、酒井法子が「世界中の誰よりきっと」をCMでカバーしたりと、いろんな追い風も吹きましたしね。

 このあと、別のレコード会社からも似たコンセプトのアルバムが出たんですが、先行する「R35」を超えるのは難しかったようです。ZARDに再度スポットが当たったり、コブクロのベスト盤が300万枚到達したりと、メロディー回帰の動きがひとつの流れとして出来つつあるのかもしれませんね。

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2007年8月分(1)

● イケナイ太陽/ORANGE RANGE   <今月のイチオシ>
 直後に2枚同時発売のベスト盤発売を控える彼らの夏ソング第2弾。もうシングル17枚めになるんですね。今回はリズムパターンとかコード&メロ進行とか、明らかに出典元があるでしょ(あえてパクリとは書きませんが(^^;)ってのが見え見えなんだけど、逆に彼ららしさが出てて、僕の中では久々にヒットしたアップテンポですね。ま、言葉とかも、良くも悪くも手垢だらけなんだけどね・・・ 多分にそれも確信犯じゃないかと思ったりしてます。

● たしかに/アンジェラ・アキ  <今月の次点> 
 早くも今年3作めのシングルはこれまでにないアップテンポ、アレンジも本人のピアノに加えてフルアレンジがなされた新境地のナンバー。詞曲の展開には相変わらず彼女の手グセというか個性が垣間見えますが(^^;)。バラードが続いていて、そのイメージ払拭には成功していると思うが、彼女のように1曲の重みがあるアーチストがこれだけ立て続けにシングルを出すのはどうなんだろう。そのせいか、auタイアップにもかからわずTOP10に届かず。

● 空はまるで/MONKEY MAJIK 
 映画「西遊記」でのゴダイゴカバー、ドラマでも使われた「Around The World」ヒットも記憶に新しい、日加混合バンドの4thアルバムリード曲。サビに象徴されるJ-POPのメロディと、抜けのいいさくっとした音、多国籍ならではの英語詞の多用など、いろんな意味でDef Techの流れと共通してるなあ、と思ってたら、この曲も同じタイヤメーカーのCMタイアップになってました(曲選びのセンス、いいです!)。アルバムヒットでいよいよ本格ブレイクか。

● ミュージック/Golden Circle feat.寺岡呼人/松任谷由実/ゆず
 寺岡呼人の呼びかけで毎年行われている「Golden Circle」がきっかけで作られた初のオリジナル曲。作詞を参加3組+ミスチル桜井、作曲をユーミンが担当しています。よってEMIではなくトイズからの発売。サビからのメジャー転調が鮮やかで、最近のユーミンの曲の中では出色ですね。ゆずのふたりの声も、張り上げすぎることなく青春の輝きを余すところなく伝えていてGoodです。今年は絢香×コブクロといいコラボ豊作の年になるかな。

● LOVE IS THE GREATEST THING/w-inds.
 橘慶太のソロシングルを挟んでの新曲は、「ブギウギ66」「IT'S IN THE STAR」とはまた違った洋楽テイスト&アッパーな勢いを持つ作品。ここ数作のシングルの展開、非常にいい感じだと思います。メロディーの進行も日本語より英語の方があってそうな感じなんだけど、どうしても気になるのは音域設定。サビの最高音域、どう考えても心地よく聴ける範囲を超えてると思います。慶太のノドへの影響も心配だし・・・ インパクトがあるだけに残念。

● マリンスノウ/スキマスイッチ
 いつのまにかチャート上位常連となった彼らももうシングル10作め、今月末にはベストアルバム発売です。その前シングルとなるこの曲。あえて夏にスノウ(実際には「深海に雪のように降る浮遊物のこと」という単語を持ってくるあたりに、彼らの練られた策略を感じないでもないですが(苦笑)。曲はAメロ頭からめまぐるしくコードチェンジ、サビでは逆にこれでもかとフェイク&ファルセット駆使。男版aikoですか?ってくらいスキマ色濃いです。

● リンク/ポルノグラフィティ
 前作「Winding Road」以来ひさびさ、今年初となるシングル。ブランク明けの作品は本間氏楽曲が多かったのだが、今回は岡野詞曲ということで、徐々にメンバー作の比率をシングルでもあげていく方向か。たたみかけるような詞のAメロとゆったりしたメロディー回しのサビの対比は面白いが、やはりキャッチーさという意味では物足りない気も。2人になってからのシングルでは最もロック色が強い作品、今後の道筋を表している?

● I’ll Remember You/AI
 前作「I Wanna Know」以来、少しリリース間隔が空きました。今回は「Story」と同じくスローテンポながら、ビートはちゃんと刻んでいる、これまでにないタイプの曲。テーマも少し大きいところへ持っていったようですが、セールス的にはやや苦戦しているよう。リスナーが彼女に求めているものは、やはり歌い上げるバラード系の曲なんでしょうか・・・ 個人的には、音楽番組のトークで見せる関西のおばちゃんキャラが邪魔をしてる気がしてなりません(^^;)。

● Shine and Eternity/吉井和哉
 吉井和哉とフォーキーサウンドって、最初はイメージ的につながらなかったんだけど、ソロになってからぎらぎら感がほどよく抜けてって、個人的にはイエモンの時よりすっと入って来やすいです。リズムが跳ね気味なのも、いい意味でロックっぽくなくって新鮮。さらに彼のルーツの洋楽趣味も垣間見えるのかな?バンドからソロになった人って、あえて違いを出そうとするか、逆にバンド時代にしばられるかって人が多い中で、自然体で来てますね。

● “HANA唄”/Micro of Def Tech
 インディーズでもメジャー級のセールスを誇るヒップホップユニット・Def Techの日本人の方(^^;)のソロデビュー曲。先日の伊藤由奈とのコラボも記憶に新しいところ。路線的には、詞の内容はDef Techにも通じる人生の応援歌なんだけど、サウンドがアコギかき鳴らし全開なのにちょっと驚きました。惜しむらくは、声にアーチストとしてのオーラが足らない分、歌ものにはちと厳しいかなと。メジャーレーベルからの発売だけどDef Techの今後は?

● ANY LOVE/MISIA
 レーベル移籍第1弾シングルはC/WがCMタイアップ、表題曲はノンタイアップという変則形での発売。「Everything」のように歌い上げるバラードでも、「つつみ込むように・・・」のようなエッジのきいたテンポでもなく、淡々と打つリズムに乗せるように歌うボーカルは、今までの作品には意外とないテイストです。宇多田ヒカルよりは湿度が少ないけどせつない方向性は近いかな? オリコン初登場でTOP10入り。今後の活発な活動に期待。

● 星/SOPHIA
 すっかりキャリアが長いバンドの仲間入りをしてしまった彼ら、毎回いろんな面を見せてくれてます。今回もアレンジにオルガンの音や打ち込みチックなフレーズを大胆に取り入れてたり、音を重ねるところと薄いところのメリハリやベースラインの流れなど、細かく聴いてるとサウンド面での細工が面白い。どっちかっていうと音で引っ張っていくタイプの曲、って印象ですね。それにしても、いつまでもエバーグリーンな佇まいのボーカル松岡・・・

● Fly Away/SEAMO
 「マタアイマショウ」でブレイク以来、アッパーなのとメロウなのとが交互に来ています。今回はアッパーな順番。ということで、前々作「ルパン・ザ・ファイヤー」は借り物の素材に負う部分が大きかったのに対して、「完全オリジナルもの」で勝負にきました。たたみかけるようなラップ、最近は分が悪いようにも思えたんですが、あえてここに持ってきたのもアーチストの認知が進んだ自信の表れでしょうか。詞がエロに行ってない分まだ踏みとどまってる?

● Samantha/木村カエラ
 自己最高の売上を記録したアルバム「Scratch」後初シングル。今回はミドルテンポながら変則リズムを挟んだりボーカルにエフェクト処理をかけたりとめまぐるしく変化する展開。詞は相変わらず「女版・奥田民生」を地で行くマイペースワールド。アレンジはかなりヘビーですがサビの部分も中低音で押してる分、何となく聞いてるうちに終わっちゃった、ってのが第一印象でした。わざとキャッチーなところを外してきたのかなあ、という感じですね。

● くればいいのに feat.草野マサムネ from SPITZ/KREVA
 かたやヒップホップ、かたやバンドサウンドのイメージが強烈にあるので、この取り合わせにはさすがに驚きました。基本的にはKREVAの楽曲の歌メロ部分に草野がフィーチャーされている構造なんだけど、暑苦しい(苦笑)イメージのKREVAボーカルの体感温度が、打ち水効果で若干下がったような感じ。それと、最初タイトルがシャレかと思いました(「くれば(KREVA)+いいのに」!)。共演が見てみたいですね。

● 熱帯夜/RIP SLYME 
 夏のリゾートにあるバーを思わせるあやしげなイントロ。ひさびさにエロ度全開のリリック。わざと音質をローファイに落としているところ含めて、この手の音楽をやらせたらさすが職人ですね。「あなたならAh〜わたしならWoo〜」のフレーズが耳から離れません(^^;)。例えがエロイんだけど、耳の後ろに息を吹きかけられて脱力・・・みたいな空気を持ってる曲です。同じことやってもケツメイシならR指定入らないと思うんだよね(^^)

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