J−POP REVIEW

<CRAFTOWNERより>

 こうやってレビューしているアーチストの顔ぶれを見ると、大ベテランから下積みアイドルまでいろいろなんだけど、やっぱ中堅層の薄さを感じてしまいますね。ベスト盤が1枚出た頃には失速してしまうというか(そうでなくてもオリジナルはどんどん売れなくなっているご時世)。この中ではYUKI、Perfumeが1枚めのベスト、清木場&チャットモンチーが2nd、風味堂が3rd、ラルクは15周年、KinKi&平井&ブリグリは10年選手・・・YUKIの場合はその前のジュディマリ含めるとベテランですからね。

 今月はたまたまかもしれないけどR&B系がsoweluしかいなかったっすね。これは僕の選曲の基準もあると思うんだけどね(^^;)。

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2007年9月分

● ポリリズム/Perfume   <今月のイチオシ>
 この曲プロデュースの中田ヤスタカ(capsule)って、すごく強烈なテクノ系の音作りするなあって注目してたんですが、こんな形でブレイクするとは (^^;)。Perfumeもそれまでの自己最高位31位からいきなりTOP10入り。ボーカルを1音づつサンプリングして貼り付けたり、ヘリウムエフェクトかけまくったり・・・って大胆な音は、もはや歌唱力だのアイドルだのJ-POPだのってコメントを無意味にするくらい強烈。これがAC「環境リサイクル」CM曲なんだもんな・・・
● LIFE/中島美嘉  <今月の次点> 
 過激な内容で深夜帯にもかかわらず話題になっている同名フジ系ドラマの主題歌。NANA名義を除けば、彼女にとってひさびさのアップテンポ&4つ打ちビートの曲。本人はアップテンポは苦手と言ってたけど、このメロディーの起伏に音程が微妙に合ってるような合ってないような、そこが彼女の味でもあると改めて感じました。淡々と進むリズムと、ある意味温度を感じない彼女の声質もマッチしてるのかも。年1作くらいはこの手の曲も聴きたいです。

● こころ/小田和正 <今月の次点その2> 
 16年ぶりのフジ月9主題歌で、最高齢でのオリコンシングルチャート首位を獲得。寡作の彼にしては昨年のゆずおだあたりから新譜連続発売。今作のCMプロモでは本人が笑顔を振りまいて出演と、めずらしくサービス精神旺盛です(^^;)。曲はいつもの小田節炸裂、でも朝ドラ主題歌「ダイジョウブ」よりも得意のラブソングに専念できてる分、本来のイメージに近い感じに仕上がってます。永遠のハイトーンボイズ、目新しさはないけど安心して聴けますね(^^)。

● 星屑サンセット/YUKI
 「ビスケット」の配信限定音源はあったものの、CDシングルとしては約1年ぶり。ソロになってからすっかりデジタル音との相性がよくなり、「JOY」「長い夢」あたりでポップを極めた感があったんですが、ここに来てまたポップ度が大きく上がってきたようです。今回は特にダンスミュージックを意識した感じでもなく、間奏にギターソロもどかんを座ったりしてるから、これまでのいろんな要素が詰まった集大成的シングルのような気がします。

● MY HEART DRAWS A DREAM/L'Arc〜en〜Ciel
 再始動後第2弾シングルはスバルCM曲。時々難解な世界に走るラルクだけど、今作はKENの作曲といいHYDEの詞といい、シングル向きのわかりやすい世界。イントロの音から広がりも感じられ、CMの映像にぴったりの内容です。HYDEのボーカルにかなりエフェクト処理がかかってるんだけど、サビのファルセットが異常に多いのは何でだろう・・・という素朴な疑問が。ここまで多いと、生歌ではちょっと厳しい気がします。

● fake star/平井堅
 最初に、999円って価格設定、何か意味あるのかな? それはさておき、「POP STAR」からアイドルポップス的作風でさんざん伏線を張っておいて、ついに本来やりたかったであろうエロエロ路線を出してきました。「Strawberry Sex」ほど露骨ではないけど、あえて息継ぎが聴こえるような譜割りにしたり、Bパートで不安定な転調を繰り返したり。何たってサビの2回めの「fake star」だけ意図して高音に飛びぬけてるところあたり、絶頂を意識してるような。うーん、でもやりすぎ?

● 永遠に/KinKi Kids
 C/Wは光一主演ドラマ「スシ王子!」主題歌だったにもかかわらず、今回両A面扱いでもないのは、曲提供した徳永英明人気に便乗してのこと・・・じゃないと思うんだけど、まさか。彼の再評価にしても、カバーによってボーカルに光が当たったわけで、オリジナル曲に人気がさかのぼってるわけじゃないしね。で、作品的には至って普通。シングルにするほどのものでもない気が。C/Wの方がシングルらしい。正直書けば徳永Verが聞きたい・・・

● 星のない世界/aiko
 aiko初の両A面シングル(あえてドラマ主題歌の方を2曲目に持ってきてます)。で、表題曲は起伏の激しいメロディとアレンジが印象的なバラード。もちろん独特の譜割りは彼女ならではのものがありますが、いつもの彼女の曲よりはすっと入ってきやすいかな? しかしタイトルの「星のない世界」というフレーズは出てこないんだけど、曲を聴き終わった時に全く違和感なくトータル世界を表しているのが素晴らしい。

● ありがとう/SunSet Swish
 前作「モザイクカケラ」がアニメタイアップでTOP10入りと復活、今作も再びアニメ頼み?(「おおきく振りかぶって」)。王道ポップス系グループが空席に近い今のJ-POP界では、売り方次第では定着しそうなんだけどな・・・作品ごとの出来不出来がもう少しなくなってくれば(サビの力とかは前作の方が圧倒的に強かったからね^^)。先日取り上げた風味堂と違い、ギターも鍵盤もいる強みがサウンド面で出て来ることに期待。

● Stand by me/the brilliant green
 何と4年半ぶりシングル!ボーカル川瀬はTommy february6&heavenly6の掛け持ちで超多忙だったとして、あとのメンバーはどうしてたんだろう? と素朴な疑問は置いといて、これだけのブランクがあっても、リスナーのイメージするブリグリの音像の的に見事に当ててくるところはプロですね〜。乗っかるサウンドによって聴こえ方が変わって来る不思議な声です、改めて。ドラマ「探偵学園Q」タイアップ効果もあってTOP10入り。

● 五日間・・・・・・バックレよう/清木場俊介
 2ndアルバム先行、2枚同時発売のうちこっちはひさびさにブラスセクションを導入した8ビートのアップナンバー。しかし彼の作品には「・・・」が多い(苦笑)。しかも「バックレよう」って、マーケティング的にはありえないタイトル(汗)。ま、EXILE脱退が必然だったことが、ソロの進展によって明確になってきたってことでしょうけどね。もはやファンの広がりには期待できないだろうから、あとは今のファンをどれだけコアに繋ぎとめられるかだと思う。

● 橙/チャットモンチー
 今回まず、ジャケ写を見て「しぶいっ!」って思いました。前作の「とび魚のバタフライ」のイメージからあまりかけ離れた、ライブあがりの男性ロックバンドっぽかったので(苦笑)。今年はいくつか夏フェスにも出て、ハードな音に紛れて大変そう、って思ったけど、想像以上に重心が低く男勝りな音。ボーカル橋本の歌い方もどこかしら粘着質です。しいて言うなら、この曲がアニメ「BLEACH」のEDテーマ、っていう売り方のミスマッチの方が気になるなあ・・・

● 24karats-type S-/EXILE,DOBERMAN INC Sowelu
 前作が古内東子のカバーだったから、今回は180度方針転換です。しかもレーベルを超えてEXILEと同時発売(ただだし向こうはC/Wだけど)のうえ本人たちもボーカル参加という大技を仕掛けてきました。これってsoweluの作品というよりも完全にコラボですよね。で、肝心の彼女が男性陣に食われてしまってる気がするんだけど(^^;) キャリアからも、そろそろ「soweluと言えば○○」っていう得意ジャンルの方向性がほしいところだけど、それが今のところ全然見えない・・・

● サヨナラの向こう側/風味堂
 3ヶ月連続シングルリリースの最終作はテレ朝系ドラマタイアップ。前作「カラダとカラダ」があまりにも彼ららしくないエロ路線で(しかもセールスもコケた・・・)、さすがに最後はミディアムスローのラブソングに戻ってきました。スマッシュヒットとなった「愛してる」の残像があって、あれを超える作品か、と言われたらちょっと違うような(^^;)。最近どんどん増えてる高音&ファルセット系ボーカルの中でも、あまり心地よく聴こえないのはなぜだろう?

● Country Road/ASIAN2
 前作「遠く」で、プロモーション+コマーシャル=「プロマーシャル」という新しい方法でのメディア露出が話題となった5人組。今回も4社のCM+テレビ朝日が共同戦線を張って、前半に彼らのPV、後半に各社の商品を映像に組み込む、という面白いことをやっています。サウンド的にはMonkey Majikあたりの洋楽テイスト+軽くヒップホップが入った感じの乾いたサウンド。タイトル+ジャケ写真のとおり異国の映像が合いそうな感じです。あとはいかに個性を出せるか。

● 永遠/パク・ヨンハ 
 もっとシングル出してるかと思ったら、まだ5枚めだったんですね(現地盤とかアルバムとかの印象が強いのかも・・・)。で、韓流アーチストも東方神起とリュ・シウォンくらいしかTOP10入りが難しくなってきてる中では何とか踏ん張っています。でも今作も無難なバラード。「君が最高!」くらいまでメジャーなアップテンポに振れちゃうとどうしたの?って言いたくなるけど、ここまで音も詞曲も普通だと印象に全然残んないなあ・・・
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